消防・防災マガジン
防災診断をお勧めします!
東京・北関東で消防設備の点検、工事を行っております一電機株式会社です。
東京都での感染症がまた少しずつ広がりを見せていますね。
第2波にならないようにするためにも、なるだけ消毒やマスクで予防していきましょう!
さて、今回は、7月5日午前1時34分、静岡の工場で火災が発生し、4名の尊い命がなくなるという大惨事が起こりました。
(同工場では倉庫内で2年前にも火災が発生していました)
このような工場火災、倉庫火災悲劇を繰り返さないためにも、防災診断をお勧めするというお話をしていきます。
【火災発生の詳細】
現場は、鉄骨2階建て、延べ床面積約7000㎡の倉庫内で、内部にスポンジなどの清掃用品が保管されていた。
防火シャッターは火災報知機が作動し、警備会社の警備員が現場に駆け付けた直後に降りたとみられる。
消防隊の到着時、建物内は白煙が漂う程度。4人が2階に上がった後、1階の防火シャッター付近から大きな爆発音がし、爆風が噴き出した。
火災が発生した工場には掃除用洗剤として使うクエン酸や重曹などを袋詰めするラインに加え、商品や原材料を保管する倉庫があった。
4人が取り残された2階は倉庫で、段ボール箱が3~4メートル程の高さに積みあがっていたという。
以上が火災の詳細です。
工場や倉庫では、多くの工作機械や電気機器が使用されているので、機器の誤作動や電気系統の劣化など、火災の原因となりうるものが多いです。
ちょっとしたミスで火が出てしまい、大惨事になる恐れがあるのです。
そして工場や倉庫のちょっとした火が、大規模な火災にまで拡大してしまうのは、
「フラッシュオーバー現象」と、「バックドラフト現象」と呼ばれる、閉鎖空間特有の2つのメカニズムが関係しています。
おそらく2つとも聞いたことはあるという人がいるかと思います。
まず、「フラッシュオーバー現象」とは、
室内にある可燃物が、火災の熱によって加熱され、その熱で突然一気に燃え上がる現象です。
今回の火災のように、工場や倉庫内には、引火しやすい・発火しやすいものが多くあります。
そのため、最初は小さな火だったものが、熱によって一気に引火・発火し室内が炎に包まれてしまうのです。
次に、「バックドラフト現象」とは、
締め切られた状態の室内で火災が発生した場合、酸素欠乏となり炎の勢いが弱まることがあります。
この状態で、窓やドアを開け放つと、新鮮な空気が一気に室内に入ってきます。
そうすると、酸素の量が急に増加し、爆発的な燃焼が起こり、勢いを増して燃え広がってしまうのです。これがバックドラフト現象です。
工場や倉庫などは、機密性が非常に高い作りになっていることも多く、そういった施設では大惨事になる危険性があります。
二つの現象は、「小さな火が、一瞬で火の海になる」というものですが、それぞれ別の現象です。
工場や倉庫では、小さなミスで発生した小さな火が、一瞬で大火災になってしまうリスクが二重にあるということなのです。
こういった現象が発生してしまうと、スプリンクラーなどの設備があったとしても焼け石に水となってしまうこともあります。
消防法に合った防災設備をきちんと備えておくことは必須です。しかし、不十分な場合もあるという認識は持っておいた方が良いでしょう。
弊社では、消防法に合った設備と合わせて、工場内の用途別に安全を守る設備の提案しております。まずは防災診断をお勧めします。ぜひご相談ください!
北関東営業所スタッフ 比留川